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【右半身マヒの難しさ】

  • 2月28日
  • 読了時間: 2分

 上田での車中泊は寒くもなく、うるさくもなく、快適な一晩を過ごせました。

 周囲が明るくなってきて、特にやることも無いのでスキー場に向かいました。お客さんがまだ全然おらず、パトロールが場内巡視にでかけたばかりの早い時間に到着したので、コースから外れたところに折り畳みいすを設置してしばし待機。

 昨日は暖かかったところに寒気が入ってきたためか、濃い霧に覆われていて、コースが全然見えません。レースができるのかなあ? で、待つこと数時間、ウエアは着込んでいたのですが、やっぱりじっと立っていると寒い。インスペクション(選手のコース下見)も終わり、そろそろ試合開始です。相変わらず霧が濃く、私の見ている場所からスタートハウスは見えません。場内アナウンスで幸平のスタート順であることが紹介されたのですが、なかなか降りてきません。そのうちコース役員のトランシーバーからディーエス(Dont Start、出走せず)と聞こえたような??? DSってどういうこと?さっきまで下見していたよと混乱していたのですが、いずれにしても幸平が来ないままレースは進行していきました。

​ 実は、昨日の大回転で優勝したことで、今日の回転競技とあわせて2連勝することを私は確信していました。回転で幸平に勝てる選手は国内にいないからです。ただし完走すればです。降りてきた幸平に会って訳を聞いてみると、2旗門目の右ターンで片反(片足反則)したとのこと。コース上には旗門(プラスチックの棒)が立っていて、選手はその外側を通らないとなりません。早く滑るためには旗門ギリギリを通過する必要があるのですが、たとえ片足でも旗門の内側を通ると片足反則となって失格となります。健常選手の場合、片反は攻めすぎた失敗で、幸平の場合もそうはそうなのですが、少し意味合いが違う面もあります。実は幸平がリタイヤする理由の大部分が右ターンでの失敗です。理由は二つあり、右半身マヒの彼にとって、右スキーをコントロールして両スキーを並行に保つのは難しく、シーザス(はさみ状にスキー板が開くこと)になることがあります。5cmもシーザスになると、右足は簡単に旗門にひっかかり転倒してしまうのです。もう一点、これは幸平にしか分からないのですが、どうやら体の右側にある物体の空間把握が難しいらしいのです。高速系競技で訳も分からない状態で旗門に突っ込んでの大転倒が過去にありました。やはり、脳の障害というのは普通の人には分からない困難があちこちにあるようなのです。


 
 
 

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